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中国書画名品展

−帖学派の系譜−


中国書画名品展−帖学派の系譜−開催にあたり

 清代の康煕から嘉慶にいたる間に、王羲之・王献之の二王を典型とする晋唐法帖の研究が盛んになり、法帖に見る書法を中心に晋人の風気を継承して芸術活動を展開した、いわゆる帖学派といわれる人々の書画を展観いたします。
 清代の後半に碑学が勃興する以前にはもっぱら帖学が行われていました。帖学派とは碑学派に対する呼称で、鍾ヨウ・二王ばかりでなく王羲之を祖述した蘇軾・黄庭堅・米フツ・趙孟フ、そして董其昌などの書に心を傾けた人々をさして言っています。事実、帖学派の人々の作品にはそうした書風の影響を受けた作品が顕著に看取できます。
 臨学の重要性は何時の時代にも共通するものです。帖学派といっても実際はさまざまで金石を好む人、篆刻に長じた人や碑学を兼備した人など帖学専修の人ばかりではないようです。また逆に北碑研究の必要性を唱導した包世臣のように碑学派でありながら帖学に通じた名家もいます。
 帖学派の人々が清朝の書道に残した足跡とその命脈は、今日の書道に少なからず影響を与えているに違いありません。帖学派の人々の書画の世界をご静鑑下さいますれば幸いでございます。

   平成19年新春
謙慎書道会理事長 新井 光風    

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セン   孫岳頒   ヨウ   梁同書
臨顔真卿争坐位稿軸   行書七言絶句軸   臨米フツ行書軸   行書八言聯
             
     
鐵保   包世臣   潘祖蔭   翁同ワ
行書文語軸   臨孫過庭書譜六屏   行書七言聯   行書七言聯
             
     
タン重光   ヲ壽平   ヲ壽平   戴熙
行書五言律詩摺扇   秋容図摺   花卉図摺扇   依石凌霄図摺扇